素材情報

ステンレス

「ステンレスは錆びない」という話をよく聞きます。その昔、日本海軍では「不銹鋼」(ふしゅうこう)、陸軍では「不錆鋼」(ふせいこう)と呼んでいました。「錆びない鋼」と考えていたのかもしれません。しかし、実は錆びます。

ステンレス鋼とは、「12%以上の Cr(クローム)を含む鉄の合金」のこと。つまり、ほとんどが鉄なのです。英語の綴りはStainless Steel。Stainとは錆びや汚れのこと。lessが語尾につくことで、錆びにくい鋼という意味になるのです。

では、何故錆びにくいのでしょうか。錆とは、大気中の酸素と鉄が結合してボロボロになる現象。ところが鉄(Fe)にクローム(Cr)を含ませていくと、12%ぐらいを境にほとんど錆が見られなくなります。これが「不働態化」。クロームの量が多くなればなるほど、安定します。
クロームと酸素が結びつくことで、「不働態皮膜」という、薄いながらも非常に強固な皮膜が生まれ、内部への物質の浸透をシャットアウト。錆の発生を防ぐのです。何らかの条件によってこの不働態皮膜が破壊され、再生されなかった場合、「錆びる」のです。

ちなみにJIS記号のSUSは、鋼(Steel)+用途(Use)+ステンレス(Stainless)の頭文字です。

ステンレス
オーステナイト系ステンレス

代表鋼種:

SUS304(Cr18%+Ni8%)
SUS XM-7 (Cr18%+Ni9%+Cu3%)
SUS316 (Cr18%+Ni12%+Mo2%)

SUS304:耐食性に優れ、機械特性も良好。家庭用品から工業用品まで広く利用されています。

SUS XM-7:上記のSUS304を、加工しやすくしたステンレス鋼です。SUS304の短所は、冷間加工性が良くないこと。そこで柔らかな金属、Cu(銅)を加えて加工硬化性を抑え、冷間加工をしやすくしました。耐食性はSUS304と同等。現在のほとんどのネジ、ボルトにSUS XM-7が使われています。ちなみに、SUS304は、ヘッダー材としては、ほとんど使用されていません。

SUS316:耐食性に優れた、オーステナイト系ステンレス鋼。その中でも、特に耐食性の良いステンレス鋼が、SUS316です。
SUS304に、耐食性の良いMo(モリブデン)を添加。また、Niの増量も、耐食性をより良くする効果があります。しかし、かなり硬いため、加工性はよくありません。

マルテンサイト系ステンレス

代表鋼種:

SUS410 (Cr13%)

SUS410:熱処理のできるステンレス鋼。約87%が鉄で、その中に含まれるC(炭素)の量も多いので、熱処理が可能です。オーステナイト系ステンレスと比べると耐食性は良くなく(表面処理を行う必要があります)、磁性も鉄と同様にあります。
余談ですが、SUS410を用いた商品は「ステンレスと言ったのに磁石に付くじゃないか!しかも錆びる!鉄だろ!」とたまに言われます。

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